笑う大熊猫

笑いながら生きていくためにジタバタする日々を綴ります。

夏祭りとわたくし

先日、マンションの自治会と管理会社が恒例の夏祭りを開催した。

住民家族には小さい子が多いマンションで、

事前に、子供用に自治会員さんが作成されたと思われる

スーパーボールすくいとか、綿菓子、くじ引きなんかのチケットが

各部屋のポストに投函されていたので、せっかくだからと参加することにした。

と言うか、その手の行事近所付き合いに疎い両親(特に旦那氏)は、

行きたくなかったので、

どうにかやり過ごそうと黙っていたのだが、

うちのお祭り男(3歳)は前日からのエントランスの準備の様子を見て、

目ざとく気づき、強く強く参加を希望したので、

チケット握りしめしぶしぶの旦那を引っ張って共有エントランスへ。

3歳が参加できるものは少なかったので、

受付で配布された飲み物とポップコーン食べ食べ

手を引いてぶらぶら見て回った。

スーパーボールすくいをして、

色とりどりの可愛らしい小さなスーパーボール3つと、

くじで当てたミニカー、

ボタンを押すとピカピカ光る謎のおもちゃを手に、

お祭り男は既に満足したようであった。

 

余談だが夏祭りの光るおもちゃって懐かしい。

私もまだ、お祭りが楽しいと感じていた幼き頃、

夏の暑さと、普段は人のいない田舎町の夜がこの時だけは賑やかになる高揚感で、

意味不明なおもちゃを買ったものだ。

 

息子と旦那氏はスーパーボールで遊びだしたので、

私は甘いものが欲しくてクレープの列に並んだ。

このクレープ屋はマンションの管理会社がプロの移動販売車を呼んだようで、

おそらく本業でされているような外部の方が来ていたのだが、

1人きりで対応しているせいか

マンションの敷地内の庭に止められた小さなワンボックスカーには

長蛇の列ができていた。

見ると、その列の真横に長机と椅子を置いて自治会員さんと思しき

ご婦人がふたり座っていた。

クレープの代金は管理費ともども引き落としにするとかで

その確認(何号室の住人がいくつ購入したか)をしているようであった。

近所付き合いもママ友も超苦手な私は顔を知らないが

その方々は座って楽しそうに雑談しては

時折近くで遊ぶ自分たちの子供を見ていた。

私の前にその自治会員ご婦人方と同世代の、

30代前半位の夫婦が並んでいた。

そして、そのちょっとギャルめの服装の奥様の方が、

ご主人に向かって小声で話しているのが聞こえた。

「あのふたり何しとんのやろ。ただ座ってるんやったら手伝えばいいんちゃう?」

私は思わずチラリとこの女性の顔を見てしまい目があってしまった。

確かにそうね。素人だから仕方ないけど段取り悪い…

しかし次の瞬間、その女性は自治会員二人に声を掛けられた。

自治会員婦人方)「〇〇ちゃんやーん!」

(ギャルめ)「△ちゃんと□ちゃんやん、ごくろうさま~!ナンカ大変そうやん!!」

自治会員婦人方)「ううん、ただ座ってるだけ~(笑)」

 

このやりとりに私は戦慄した。

え、友達??

並んでいた女性はご主人の方を向き巧妙に口をすぼめ

腹話術のごとくコソリと悪態をついた。

しかし自治会員婦人方にはこの声が聞こえたのだろうか?

それとも偶然の会話??以心伝心???

会話の内容の一致と3人の笑顔がおっかなかった。

そして、ママ友集団には入らなくて良かったと心から思った。

 

詳細は知らないが、マンション内には日々子供連れで一緒に遊んだり、

目の前のたまり場公園で暗くなるまで井戸端会議をしているグループをよく見る。

見た感じ専業主婦のグループのようなので

フルタイムで働いている上に根っからコミュ障の私は縁が無い。

その事をちょっと恥じてもいたのだが。

いやでも怖い。

子供を通じて仲良くなったら、合わなくても抜けられない。

 

ちょっと前に某ショッピングセンターのバレンタイン広告で

女の友情の裏みたいなのをいじって、

クソ叩かれて謝罪してた事があったけど。

長らく女である私から見ても

やっぱり女は怖い面があると思う。

学生時代のスクールカーストでは常時下の方にいた私は

当然社会に出てからも女性のグループ活動には及び腰。

どんくさいのが悪いのか、意味不明ないじめにあったこともしばしば。

女性の悪意は、いつも的確で残酷だ。

 

私が40分ほど並んでようやくクレープを手中の収めたころ、

旦那氏と息子はとっくに涼しい部屋に戻って、昼寝中だった。

クレープは美味しかった。

女の闇を垣間見た夏祭りであった。

何もかも暑さのせい。